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-哲学するトラム−

 近年のヨーロッパにおけるトラム導入は革命的とも言えるエポックを作り出し、公共交通復権の先頭を走っていると言えます。昨今、日本でもヨーロッパのトラム導入は都市政策の先進事例としてしばしば紹介されます。しかしながら、その紹介も表面的なことで終わっていたり、あるいは技術や機軸の紹介で終わっていることも少なくありません。ヨーロッパのトラムは、都市交通に対してある種の哲学を持って導入されたこそ、革命的なエポックを巻き起こしているのです。だからこそ、街にトラムが走ることによって大きなインパクトを与え、新たな都市のコンセプトを示しているといえます。本当にヨーロッパの先進事例を学ぶなら、その哲学を学ばなければなりません。
 この「哲学するトラム」は、ヨーロッパの今のトラムがどのような"哲学"を持って導入されたのか、特にエポックとなる出来事に焦点を当てて、当時の社会環境やそれに携わる関係者、歴史的背景などをからめて紹介していきたいと思います。






1,グルノーブルのノンステップ車導入
−世界中に広がった低床化の先駆け−

世界で初の車軸なし台車を採用して、超低床車のパイオニアとなったグルノーブルのトラム。このトラムが開発された当時フランスは完全にトラム技術製造を失っていたのだが、グルノーブル形トラムで成功し、フランスは後にトラムを他の国に輸出できるようにまでなったのである。なぜ当時の関係者があえて困難な超低床車の開発に踏み切ったのか、その背景には交通権という新たな思想があったのである。




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